乱読のセレンディピティ
乱読のセレンディピティ 外山滋比古著 扶桑社出版 を読んだので感想を。
セレンディピティ=思いがけない発見のこと。
乱読によって、ふとした発見があって、それが読書の本当の価値だという内容である。
乱読とは、その分野の知識のあるなしにかかわらず、気になった本を片っ端からさらさらっと読む。
立ち読みの感覚で読み進める。
分からないところは飛ばす。
あらかじめ知識のある読書をアルファー読み、知識なしで読むことをベーター読みとしているが、ベーター読みをするのである。
ベーター読みの最たるものは新聞である。見出しで気になった記事を読み込む。
良書であれば、ベーター読みで、ところどころ面白さを感じることができる。
本がありふれている現代は、悪書も溢れているため、身にならない面白くない本も多い。
本は一度読んで終わりである。
読み返すことはしない。
忘れるに任せて、捨ててしまうこと。
そうやって記憶の新陳代謝を促進することも大切である。
それでも残った残滓がセレンディピティを起こすのである。
例えば、医学分野の本を乱読することで、科学の法則性に気づくなど、全く違う分野の考えが有用になるのである。
と、いうような概要だが、外山さんは、「書評なんて難しくてリスクのあることはするもんじゃない」なんてこの本の冒頭で書いていて、、
ブログに書きとめてるこの行為も、自分の無能を世間様にさらし続けているのだから、相当にリスキーなのかなと思ってみたり。。
この著者が出している本に、有名な「思考の整理学」があるが、その本よりも思想や思い出などの「読み物」の部分があり、ノウハウは少なく感じたかな。
とはいえ、この本によって、読書へのハードルが低くなり、乱読が自分に合っているかもしれないなと思えました。